2025年11月26日

イベント報告

森林×デザインをテーマとする次世代のクリエイター育成公開講座「ミライフォレストサークルVol.2」を開催しました!

実施報告

2025年10月30日(木)、KOBE Co CREATION CENTERにて、森林×デザインをテーマとする次世代のクリエイター育成公開講座「ミライフォレストサークル」が開催されました。第2回目は4名の講師をお迎えし、普段の活動の様子と神戸市産材の可能性を軸にしたテーマでお話いただきました。

 


 

講師

野口僚/六甲クリエイティブラボ

池内宏行/HIROYUKI IKEUCHI STUDIO

北川浩明/株式会社文化工学研究所

濱部玲美/株式会社KUUMA

 

野口氏は、地域の広葉樹をメインに扱いながら、デザイン活動や神戸の木を普及していくための取り組みを行っています。六甲山のラボでは、家具や小物づくりをする若手デザイナーがプロトタイプや製品を作ったり、木工に興味がある人が利用する場となっており、コナラ、クスノキ、イロハモミジなど、各材の特性を見ながら用途に応じた木の扱い方についてもアドバイスしています。

池内氏、北川氏、濱部氏は、4人でユニットを組み「OKAMEHACHIMOK」として活動をしています。木材コーディネーター、家具デザイナー、建築家、編集者の4人が集まり、職種を超えたメンバーで神戸の木と向き合っています。家具づくりだけでなく、教材や生活に必要なものを提案できないかを考えながら、捨てられてしまうものを価値づけていく活動を続けています。

 

後半は、会場およびオンライン参加者から4名の講師へ質問を募り、トークセッションのかたちで神戸市産材の魅力や課題、今後の活動の方向性などについて話をしていただきました。

 

【池内】
普段は外材をつかうことも多いが、神戸市産材を使い始めてから環境問題についても考えるようになった。整備材のコナラは割れも多く、想像を超えた性質を持っているが、難しさの中にも面白さや材としての魅力がある。

 

【北川】
神戸市産材には、木の状態やカタチを見て、発見しながら、不確定要素を残しながら作っていく面白さがある。神戸の木を使ってほしいという依頼も増え始めていて、材が余っているのではなく、ニーズが増してきていると捉えている。

 

【濱部】
地域産材に興味持つ人が増えてほしいが、地域産材というラベルが貼られているだけでは意味がない。活動の様子を知ってもらう環境をいかにつくるかが大事だと考えている。ロスをなくすことと地域資源が循環していくことはつながっていて、子供たちの教育にも使っていきたい。地域材がブームになるのではなく、ブランド化していきたい。

 

【野口】
資源循環の現状を知り、どのように向き合っていくべきかを考えながら活動をしている。その時々の課題と向き合いながら、神戸の木や里山の未来を思い描いている。維持管理から出てくる材は曲がりや割れのリスク、歩留まりがあり、手間がかかる。自社で切った木を自社で使うことができれば、地場材の価値は上がってくる。

 

最後に神戸材の魅力について、「神戸の地形=山とまちが近く、山の素材をまちにおろしやすい。樹種も多く、山・まち・人の関係を構築できる環境が揃っている」「神戸材を使うことで身近なモノや空間に愛着を持ってもらえるようになる」など話が広がりました。

 

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