2025年9月26日

イベントレポート更新

第2回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 竹林の循環資源活用と適切な食塩摂取量の評価研究の最前線

overview

開催概要

日時 2024年8月29日(木) 18:30~20:00

プレゼンターのご紹介

菊川 裕幸

神戸学院大学 現代社会学部 現代社会学科

講師 菊川 裕幸 さん Hiroyuki Kikukawa

2011年岡山大学農学部を卒業後、兵庫県内の農業高校に8年間勤務。その中で、高校生の「最近、竹が増えてないですが?」の一言をきっかけに、高校生とともに竹研究をスタート。地域の資源である竹を農業にしっかりと利用するということを目的に100箇所を越える竹林を整備し、様々な竹の利用法を検討、模索中。2024年に京都大学大学院農学研究科にて農学の博士を取得。

中川 輪央

神戸学院大学 栄養学部 栄養学科 臨床栄養学部門

助教 中川 輪央 さん Wao Nakagawa

2009年神戸学院大学栄養学部を卒業後、管理栄養士と臨床検査技師の資格を取得し、国立病院機構中国四国ブロック東広島医療センターで管理栄養士として勤務。5年間の実務中に、糖尿病療養指導士や循環器病 予防療養指導士の資格を取得後、現職で脂肪や食塩といった栄養素と、脂質異常や高血圧、循環器系疾患との関連を主な専門領域として研究を進めています。現在は神戸大学大学院保健学研究科博士後期課程にも在籍中。

ファシリテーター

中務 庸子

中務 庸子 さん Yoko Nakatsukasa

  • 神戸新聞社DX推進局 ユーザー・コミュニケーション部

神戸新聞社で、13年間、記者として勤務。 社会部、明石総局などを経て、経済部で長 く企業取材を担当。食品・アパレルなどの メーカーや製造業などの記事・連載を数多 く執筆した。 2022年から記者部門を離れ、新設部署の DX推進局でデジタルマーケティングに挑 戦。電子版「神戸新聞NEXT」の会員管理 やプロモーション企画に取り組む。プライ ベートでは小学生男子2人の母。
兵庫県西 脇市出身。

Event Report

2024年8月に開催された第2回アカデミックトークでは、「竹林の循環資源活用と適切な食塩摂取量の評価研究の最前線」をテーマに、神戸学院大学の菊川裕幸さん(現代社会学科)と中川輪央さん(栄養
学科)をお迎えし、最新の研究成果を発表いただきました。食生活を通じた健康づくりや竹害対策を通じた自然環境の保全に関するプレゼンテーションが行われ、参加者は発表者との対話や交流を通じて、お二人の研究への理解を深めました。

● 竹の新たな可能性を探り持続可能な未来をー

竹林を整備すると、1日あたり1-2トンもの竹が伐採されます。菊川さんは、この伐採された竹を破砕機でチップ化して農業利用することで、竹林の整備と地域資源の循環的利用を促進するモデルを提案しました。竹チップの堆肥化や草花の培養土の代替資材、家畜の飼料など、様々な用途を模索しており、地域社会と協力して竹の新たな可能性を探り、社会課題の解決を目指しています。

● 食塩摂取量を正確に評価するためにー

高血圧の予防や改善には減塩が推奨されていますが、その食塩摂取量の正確な把握が重要です。中川さんは、食事調査だけでなく、尿検査による食塩排泄量の推定に基づく食塩摂取量の評価方法を紹介しました。尿検査のタイミングによって排泄量が変動する点に着目し、食塩摂取量を正確に評価するための最適な尿採取タイミングについて、研究成果を発表しました。

第2回アカデミックトークには25名が参加。今回のテーマは、一般の方々にも分かりやすい内容であったため、多くの参加者の関心を引きつけて、全体の成功につながりました。

菊川 裕幸

菊川 裕幸さん

放置竹林は身近な問題です。
神戸市北区ではハチクの開花、枯死も確認されています。
そんな問題を皆さんと共有し、意見交換ができたことで、私自身も勉強になりました。
竹林関係でお困りのことがあれば、是非お知らせください。
中川 輪央

中川 輪央さん

会を通じて、食事や栄養について少しでもご興味をおもちいただけましたらうれしい限りです。
お忙しい中ご参加くださり、ありがとうございました。

参加者の声

一般市民が親しみやすい内容でとても良かった。質疑応答も活発だった

大変アットホームな雰囲気で、意見も言いやすい

先生方と交流する時間もあり良かった

普段考えない視点に気づかされることも多くあった