2025年9月26日

イベントレポート更新

第1回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 障がい者の雇用促進とメンタルヘルスの向上

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開催概要

日時 2024年7月29日(月) 18:30~20:00

プレゼンターのご紹介

胡 友恵

神戸大学大学院 保健学研究科 リハビリテーション科学領域

助教 胡 友恵 さん Tomoe Ebisu

広島県出身。2013年神戸大学医学部保健学科 作業療法学専攻を卒業後、2024年3月に神戸大学大学院保健学研究科 博士課程後期課程を修了。2013年から精神科分野の作業療法士として2か所の病院で合計6年半勤務したのち、2019年11月から現職。

山本 健太

神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 人間発達専攻

助教 山本 健太 さん Kenta Yamamoto

兵庫県内の特別支援学校知的障害や聴覚障害のある子どもの担任として5年間勤務後、神戸大学大学院人間発達環境学研究科へ入学。大学院では自閉スペクトラム症のある方の記憶研究に従事。ドクター取得後、京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士研究員として1年半在籍し、2021年10月より現職。

ファシリテーター

宮川 潤

宮川 潤 さん Jun Miyagawa

  • MIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)代表取締役CEO
  • 大阪公立大学 研究推進機構 特任教授
  • (一財)未来医療推進機構 理事長補佐

Event Report

2024年10月に開催された初のKOBEアカデミックトークでは、「障がい者の雇用促進とメンタルヘルスの向上」というテーマで、神戸大学の山本健太さん(人間発達環境学研究科)と胡友恵さん (保健学研究科)をお迎えし、プレゼンテーションが行われました 。

● 制度ではなく風土を創りたいー

病気や障害がある方の中には、仕事内容や人間関係のミスマッチ、体調の変動などにより、週30時間の安定した勤務が難しい方がいます。しかし、週1-2時間であれば働ける方も多くいます。山本さんは、週30時間勤務できる人を1人雇用するのではなく、超短時間勤務できる人を複数雇用することで法定雇用率を満たす新たな雇用モデルを提案し、その有効性について検証しました。

● 活動のバランスを良くする支援の開発に向けてー

日常生活における「活動」をバランスよく行うことが、健康と幸福に不可欠です。胡さんは、精神障害を持つ人の日常活動のバランスを聴き取るインタビュー用紙を開発し、その有用性を検証しました。このインタビュー用紙は、活動のバランスを効率的に把握し、精神障害を持つ人が望む活動をできるようにするための支援計画の策定に役立てることができます。

第1回アカデミックトークには38名が参加。障がいのある方々の社会参加と健康増進に関する最新の研究に触れ、研究者と共に、地域社会の未来を創り上げていくという大切な思いを共有しました。参加した方々からは「研究の社会的意義を理解する良い機会だった」「大学の研究に触れる貴重な場だった」「これまでにない新しい視点を得ることができた」など、高い評価が寄せられ、今後の進展に対する期待感高まるスタートとなりました。

胡 友恵

胡 友恵さん

参加者の皆様の反応や質問・感想から、自身の研究をもう一歩社会実装に向けて進めるには
何が必要かを肌で感じ、勉強になりました。
社会に役立つために研究があるからこそ、皆様からの質問・意見が大切だと感じました。
山本 健太

山本 健太さん

ご参加くださり誠にありがとうございました。
ご質問をいただくなかで自分自身の研究を振り返る機会となりました。
専門用語を使用せずお伝えする難しさを実感しました。今後はわかりやすく端的に伝える勉強をしていきたいと思います。

参加者の声

研究の社会的意義や大学の研究内容を知ることができる良い機会だった

超短時間勤務の制度について知り、刺激を受けた

活動バランスに関するお話は、理解しやすく非常に有益だった

具体的な制度の提案や実際の声をもっと聞きたい