2025年9月26日

イベントレポート更新

第5回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 心を地域を守る力 ~防災教育と心理学から学ぶ持続可能な社会

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開催概要

日時 2025年1月23日(木) 18:30~20:00

プレゼンターのご紹介

河田 慈人

関西国際大学 高等教育研究開発センター

講師 河田 慈人 さん Yasuhito Kawata

京都⼤学防災研究所巨⼤災害研究センターにて、防災教育と地域防災の研究に従事。その後、⼈と防災未来セン ターや兵庫県⽴⼤学復興政策研究科を経て、現在は関西国際⼤学⾼等教育研究開発センターの講師。被災地⽀援の豊富な経験を活かし、神戸市教育委員会の学校防災アドバイザーをはじめ、総務省や兵庫県、 その他多くの⾃治体で委員や講師として活躍しておられる研究者です。専⾨分野は防災教育、地域防災、⾏政の災害対応。

沼田 真美

関西国際大学 心理学部心理学科

講師 沼田 真美 さん Mami Numata

⽬⽩⼤学⼤学院⼼理学研究科で修⼠課程(⼼理学)を修了し、筑波⼤学⼤学院⼈間総合科学研究科で博⼠課程 (⼼理学)を修了。⼤妻⼥⼦⼤学⼈間関係学部の助⼿や⽬⽩⼤学⾼等教育研究所の助教を経て、現職。専⾨分野は社会⼼理学、パーソナリティ⼼理学、感情⼼理学、ポジティブ⼼理学です。対⼈ および個⼈内の⼼理過程や、対⼈関係の維持や適応に関わる⼼理過程を研究。主な著書には、『対⼈ 関係を読み解く⼼理学―データ化が照らし出す社会現象―』(サイエンス社、分担)や、『ポジティヴ⼼理学研究 の転換点 ポジティヴ⼼理学のこれまでとこれから』(福村出版、共訳)があります。

板山 昂

関西国際大学 心理学部心理学科

准教授 板山 昂 さん Akira Itayama

関西国際⼤学⼤学院犯罪⼼理学コースで修⼠課程(⾏動科学)、その後、神戸学院⼤学⼤学院博⼠後期課程(⼈ 間⽂化学)を修了しました。専⾨分野は犯罪⼼理学、社会⼼理学、法と⼼理学であり、特に社会的制裁、犯罪者 に対する偏⾒と更⽣⽀援の態度、犯罪⼼理学から⾒た不祥事・ハラスメント対策について研究を⾏っています。 現在、法と⼼理学会の理事を務めるとともに、岡⼭県教育委員会の教職員不祥事防⽌対策チームのアドバイザー としても活躍中です。主な著書に『⼊⾨ 司法・犯罪⼼理学』(共著、有斐閣)があります。

ファシリテーター

宮川 潤

宮川 潤 さん Jun Miyagawa

  • MIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)代表取締役CEO
  • 大阪公立大学 研究推進機構 特任教授
  • (一財)未来医療推進機構 理事長補佐

大学卒業後、IT・事業会社にて基幹システムの導入・開発に従事。その後、地域情報サイト「神戸ジャーナル」を立ち上げ、現在編集長を務める。株式会社ジャーニージーン代表取締役。

Event Report

第5回アカデミックトークは「心と地域を守る力~防災教育と心理学から学ぶ持続可能な社会」をテーマに、2025年1月23日に開催されました。 今回は関西国際大学から高等教育センターの河田慈人さん、心理学部の板山昂さん、沼田真美さんの3名をプレゼンターに迎え、32名の参加者が共に学びを深めました。

● 防災教育を通じて、地域の課題解決と活力あるまちづくりへ

河田さんは、防災教育を通じて地域の課題解決に取り組んでいます。  「誰一人取り残さない」防災を実現することを目指しており、防災教育が地域の結びつきを強め、企業・行政・教育現場の協力を促進する力になることを示しました。安心・安全で持続可能な地域社会の実現に向けた具体的な取り組みが紹介されました。

● 傷つきやすい心と囚われからの解放~対人関係の適応と成長を考える

沼田さんは、日常で直面する「心の傷」にどのように向き合い、成長と適応を実現するかについて深い洞察を示しました。心の傷を痛みとしてだけでなく、成長や適応に向けた積極的なプロセスとして捉え直すことの重要性を、最新の研究成果を交えて語りました。

● 心理学から考える職場の不祥事・ハラスメント~原因を知り対策を考える

板山さんは、職場での不祥事やハラスメントを防ぐための心理学的視点を提供しました。職場環境をより健全にするための実践的なアドバイスを伝え、組織内の問題に対処するために心理学の力を活用することの重要性を強調しました。

プレゼン後のパネルディスカッションでは、多くの質問が寄せられ、続くグループディスカッションでは、プレゼンターを囲んで自分自身と大切な人たちを守るために何ができるか、何をすべきかについて話し合いました。個人の心と体のバランスを保ち、地域と職場が連携して持続可能な社会の基盤を築く方法を考える貴重な機会となりました。

参加者の声

キーワードをたくさんご提示いただき、後で自 分で調べて理解を深める良いきっかけをいただ きました。

防災と個人や組織の心理という、一見、混じりにくいテーマでも、先生方のお話しを聞いて普遍性と実践に繋がる気付きがあると 実感しました。

防災と心理学がどう結びつくのか興味深かったです。

このように、研究者の方がキーワードと根拠となる研究内容を短時間でもお示しいただける と、実務に応用して活用できますので、大変ありがたいです。