2025年9月26日

イベントレポート更新

第9回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 身体の状態を見える化する技術〜汗成分解析と筋協調の可視化

overview

開催概要

日時 2025年7月24日 18:30~20:00(受付 18:00~)
会場 KOBE Co CREATION CENTER(センタープラザ9階)
対象 テーマに関心のある企業、事業者、自治体行政関係者、一般市民、学生 など
定員 30名程度
参加方法 参加無料、事前申込制

プレゼンターのご紹介

内富 蘭

神戸学院大学 栄養学部応用栄養学部門

助教 内富 蘭 さん

県立広島大学人間文化学部を卒業し、管理栄養士免許を取得。2018年より京都府立大学大学院生命環境科学研究科に進学し、筋萎縮や肥満を抑制する食品成分の探索や、加齢による骨格筋の代謝産物変化について研究してきました。
2023年より神戸学院大学栄養学部助教に着任し、近年は汗中の低分子成分の測定技術を用いた骨格筋状態や栄養状態の評価法の開発に取り組んでいます。

木伏 紅緒

神戸大学大学院 人間発達環境学研究科

助教 木伏 紅緒 さん Benio Kibushi

2016年、京都大学大学院人間・環境学研究科にて日本学術振興会特別研究員DC1として研究を開始し、2019年、博士(人間・環境学)を取得。早稲田大学スポーツ科学学術院助教を経て、2021年より神戸大学大学院人間発達環境学研究科助教として勤務しています。身体運動制御・ニューロメカニクスの研究に従事し、計測自動制御学会学術奨励賞、日本バイオメカニクス学会奨励賞などを受賞。近年は筋協調パターンの可視化技術を動作解析やスポーツウェア評価へ応用しています。

ファシリテーター

宮川 潤

宮川 潤 さん Jun Miyagawa

  • MIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)代表取締役CEO
  • 大阪公立大学 研究推進機構 特任教授
  • (一財)未来医療推進機構 理事長補佐

大学卒業後、IT・事業会社にて基幹システムの導入・開発に従事。その後、地域情報サイト「神戸ジャーナル」を立ち上げ、現在編集長を務める。株式会社ジャーニージーン代表取締役。

Event Report

2025年7月24日(木)、第9回「KOBEアカデミックトーク」が開催され、今回は「身体の状態を見える化する技術〜汗成分解析と筋協調の可視化」をテーマに、プレゼンテーション×ディスカッション×交流が行われました。

●「汗成分解析による身体にやさしい健康モニタリングの実現を⽬指して」

神戸学院大学の内富蘭さんは、汗に含まれる成分を解析することで、身体への負担が少ない健康モニタリングの実現を目指す研究について発表しました。汗は血液由来の体液であり、健康状態や栄養状態など、身体のさまざまな情報を反映していると考えられています。内富さんの研究では、汗中の低分子成分を分析することで、年代ごとの骨格筋や栄養状態との関連性を明らかにしようとしています。この手法が確立されれば、採血のような負担を伴わずに、汗を使って簡便に健康状態を把握できるようになり、将来的には日常的な健康管理や疾病予防への応用が期待されます。

●「筋協調の可視化によるパフォーマンス向上の可能性」

神戸大学の木伏紅緒さんは、筋シナジー解析と筋電図バイオフィードバックを活用し、運動中の筋協調パターンを可視化・評価する手法の開発について発表しました。この技術により、アスリートのパフォーマンス向上やリハビリテーションの効率化、日常動作の改善、高齢者の転倒予防など、スポーツ科学やヘルスケア分野への幅広い応用が期待されています。

今回、汗成分解析と筋協調の可視化という先進的な研究を通じて、その可能性が参加者との対話の中で鮮やかに浮かび上がるひとときとなりました。今後も本シリーズでは、大学の研究と社会との接点を創出する対話の場を継続的に展開してまいります。

木伏 紅緒

木伏 紅緒さん

ご参加ありがとうございました。研究者以外の皆さまとの対話を通じて、筋協調の研究にも社会のニーズがあると実感しました。今日の講演や対話が仕事や暮らしの小さな改善につながるヒントになれば嬉しいです。

参加者の声

汗の研究がとても興味深く、日常生活とのつながりを感じました。

社会実装が進んで手軽に使えるようになることを期待しています。

科学的な考え方や検証の姿勢について、さらに深く掘り下げてほしいと思いました。

どちらの発表もとても興味深く、楽しい時間となりました。

汗とトレーニングに関する研究には、何か協力できるかもしれません。

汗のサンプルが性別や年齢、運動習慣によってどう違うのか、とても興味があります。