2025年10月28日
申込受付中
第14回 KOBE アカデミックトーク
overview
| 日時 | 2025年12月18日(木曜) |
|---|---|
| 主催 | 一般社団法人 大学都市神戸産官学プラットフォーム |
| スケジュール | 18時00分:開場・受付 18時30分~19時30分:プレゼンテーション&ディスカッション 19時30分~20時00分:交流会(軽食付) |
| 対象 | 企業、事業者、自治体行政関係者、一般市民、学生の皆さま |
| 定員 | 30名程度 |
| 参加費 | 無料 |
| 参加申込み | 事前申込制(先着順) |
| 申込み方法 | 2025年12月16日(火曜)までに以下よりお申込みください。 https://forms.gle/w6Lnf22CHkoAUyEXA ![]() |
(一社)大学都市神戸産官学プラットフォームでは、大学の研究をより身近に感じていただくために、研究者対話型イベント「KOBEアカデミックトーク」を開催しています。
今回のテーマは、「雰囲気の哲学と道徳の問い―感情から読み解く人間理解」です。プレゼンターは、感情を「雰囲気」として捉える新現象学の視点から文化横断的な研究を進める久山 雄甫さん(神戸大学 大学院人文学研究科/神戸雰囲気学研究所)と、復讐という行為を通じて道徳性の厚みを問い直す倫理学研究を行う安倍 里美さん(神戸大学 大学院人文学研究科)のお二人です。
感情は私たちの内面に閉じ込められた心理現象なのでしょうか。それとも、世界に漂う「雰囲気」として作用するのでしょうか。また、復讐という行為は、なぜ合理性を欠きながらも、私たちの道徳的理解に深く関わるのでしょうか。
本イベントは、第一線の研究者と直接出会い、対話しながら、哲学・倫理・文化をめぐる根源的な問いに触れることができる貴重な機会です。会場で、私たち人間をより深く理解するための新しい視点を見つけてみませんか。ご参加をお待ちしています。
新現象学の創始者ヘルマン・シュミッツは、古代ギリシア以来「魂」の存在を前提にしてきたヨーロッパ思想史を批判し、「感情」とは「魂」の状態ではなく、むしろ「雰囲気」として身体に作用するものだと主張しました。「感情」は内面世界に閉じ込められているのではなく、われわれの周囲に漂っているというのです。本発表では、(1)こうした大胆な感情論を中心にシュミッツ哲学のアウトラインをなぞり、(2)この見方をひとつの手がかりとする文化横断的・分野横断的な「雰囲気学(Atmospheric Studies)」の試みをご紹介します。
復讐は、もはや変更の余地のない過去に向けられた行為であり、だからこそ無益です。しかしその一方で、しばしば復讐者は魅力的な存在として描かれてきたし、何より私たちは復讐者の気持ちを理解することができます。本研究は、復讐という行為の合理性をあえて示すことを通じて、過去を背負う存在としての私たちの尊厳とは何かを明らかにしようとするものです。
神戸大学大学院 人文学研究科
准教授 久山 雄甫 さん Yuho Hisayama
ダルムシュタット工科大学Ph.D.(2013年)、京都大学博士(2021年)。ダルムシュタット哲学実践研究所客員研究員、日本学術振興会特別研究員などを経て、2013年より神戸大学大学院人文学研究科講師、2016年より現職。専門分野は近代ドイツ文学・思想史、雰囲気学。息吹や雰囲気に関するヨーロッパおよび日本の文学・思想史を研究してきた。2022年には新学術領域「雰囲気学」を創出・展開するために神戸雰囲気学研究所(KOIAS:Kobe Institute for Atmospheric Studies)を設立し、現在まで同代表をつとめている。
神戸大学大学院 人文学研究科
准教授 安倍 里美 さん Satomi Abe
神戸大学人文学研究科 准教授。専門は倫理学、特にメタ倫理学です。道徳を単なる行動規範としてとらえるのではなく、ごく普通に生活をしている人の世界の見方を構成するものとしてとらえ、その全体像を描き出すことを目標に研究をしています。通常、倫理学で探求されるのは、道徳的に正しい行為は何かという問いですが、私自身は、このような観点を取るだけでは、実践についての思考を明細に捉えるには不十分ではないかと考えています。たとえば、人はときに、ある行為について、「道徳的に許されない」という確信を持つ一方で、それでも「それをしなければいけない」と考えてしまうことがあります。こういった、混乱含みに見える私たちの判断を、一貫したものとして捉えることができないか精査していくことで、厚みのある道徳性の理解に到達できればと考えています。
安部 孝太郎 さん Kotaro Abe
2000年早稲田大学大学院理工学研究科経営システム工学修了。ドコモの法人部門、コンサル会社出向、R&D部門での新規事業開発経験を経て、2024年より現職。
経営企画部兼務の傍ら、神戸市を中心として、各地方自治体の社会課題に適応した先進技術を実装する取り組みを推進中。