2026年1月7日

イベントレポート更新

第15回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 高専発・未来創造の探求―未来のまちをつくる技術とことば

overview

開催概要

日時 2026年1月29日(木曜)
主催 一般社団法人 大学都市神戸産官学プラットフォーム
スケジュール 18時00分:開場・受付
18時30分~19時30分:プレゼンテーション&ディスカッション
19時30分~20時00分:交流会(軽食付)
対象 テーマに関心のある企業・団体関係者、行政担当者、研究者、学生の皆さま
定員 30名程度
参加費 無料
参加申込み 事前申込制(先着順)
申込み方法 2026年1月27日(火曜)までに以下よりお申込みください。
https://forms.gle/jFiAiBAWDayk3TPu8

 

大学都市神戸産官学プラットフォームでは、最先端の研究を市民の皆さまにより身近に感じていただくための対話型イベント「KOBEアカデミックトーク」を開催しています。
第15回となる今回は「高専発・未来創造の探求―未来のまちをつくる技術とことば」をテーマに、神戸市立工業高等専門学校(神戸高専)から3名の研究者をお迎えします。
神戸の海で活躍する海洋ロボットの最新技術、AIによる作業の自動化や人とロボットの協働、そして地域のつながりを生み出す“言葉”の力。一見離れているように見えるこれらのテーマは、「これからの市民の暮らしや仕事をどう豊かにしていくか」 という点でつながっています。技術と文化が交わることで、私たちの社会はどのような姿に変わっていくのか。そのヒントを、神戸高専の3名の研究者とともに探るひとときを過ごしてみませんか。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

神戸高専としての海洋ロボット技術開発動向

プレゼンター:小澤 正宜さん(神戸市立工業高等専門学校 機械工学科 准教授)

港湾都市の名を冠している神戸にとって、海洋ロボット技術のプレゼンスを高めることは極めて重要です。本発表では、本学で開発を進めているUSV-ROV連携システムの構想、双腕作業ROV、海底耕うん機、および教育用水中ロボットについて紹介します。この機会に、神戸市における海洋ロボット技術のあり方について、皆さまと議論を深めることを期待しています。

 

神戸高専におけるロボットAI技術の研究開発

プレゼンター:田原 熙昻さん(神戸市立工業高等専門学校 電子工学科 講師)

近年、AI技術の急速な進展により、ロボットの自律化への期待がますます高まっています。こうした動きを背景に、ロボットに学習機能を持たせ、自律的に動作させることを目指す「ロボットラーニング」と呼ばれる分野が注目を集めており、国内外で研究が進められています。本発表では、ロボットラーニング分野における最近の動向や課題についてお話しします。
さらに、私が本学で取り組んでいる双腕ロボットを用いた日常作業の自動化や、土工作業の自動化に関する研究なども紹介します。

 

詩的言語とコミュニティ

プレゼンター:武久 真士さん(神戸市立工業高等専門学校 一般科・国語 講師)

昨今、ポピュリズムの台頭により、人々を巻き込み、熱狂させる「言葉の力」に注目が集まっています。実は、そうした役割を歴史上担ってきたのは、詩の言葉でした。詩の言葉は、人々をつなげ、集団の一員であることを確認する役割を果たしてきました。本発表では、詩的言語とコミュニティの関係について、大岡信や吉本隆明の思想に助けを借りながらお話しします。

プレゼンターのご紹介

小澤 正宜

神戸市立工業高等専門学校 機械工学科

准教授 小澤 正宜 さん Masayoshi Ozawa

東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科修了、博士(工学)。専門は海洋ロボティクス。ROV(遠隔操作型無人潜水機)とUSV(無人水上艇)の連携運用に関心を持ち、無人機による海洋観測船の代替や能力拡充を目指して研究を進めている。水中ロボット操作に体感操作やエンターテインメント性を取り入れ、操縦難易度の低減にも取り組む。

田原 熙昻

神戸市立工業高等専門学校 電子工学科

講師 田原 熙昻 さん Hirotaka Tahara

奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科博士後期課程修了、博士(工学)。専門は機械学習を基盤としたロボット制御。人とロボットが協働する社会の実現を目指し、日常作業の自動化や屋外環境での人–ロボットコミュニケーションの実証に取り組む。産業分野では、人型ロボットによるショベルカー操縦を通じた土工作業の自動化にも挑戦している。

武久 真士

神戸市立工業高等専門学校 一般科・国語

講師 武久 真士 さん Makoto Takehisa

大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。専門は日本近現代詩。中原中也や三好達治など1930年代の詩を形式面から研究し、現在は戦後詩を中心に詩の言葉と共同体の関係を探究している。J-POPの歌詞にも関心を持ち、批評を通じて現代の言葉と詩の可能性を考察している。

ファシリテーター

宮川 潤

宮川 潤 さん Jun Miyagawa

  • MIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)代表取締役CEO
  • 大阪公立大学 研究推進機構 特任教授
  • (一財)未来医療推進機構 理事長補佐

三井住友銀行にて、20年超電機・通信・メディア・IT業界を担当。国内外の様々な案件を手掛ける。2021年2月より、関西圏のスタートアップエコシステム構築、産官学連携、オープンイノベーションを担当。2023年4より独。2023年11、SUNDRED(株)取締役CFOに就任。新産業共創、地域における産業作りとしてリビングラボに尽。2024年3月、大阪大学名誉教授 澤芳樹氏をエグゼクティブアドバイザーとするMIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)を設立し、代表取締役CEOに就任。NakanoshimaQrossを舞台にライフサイエンス・ヘルスケア領域のインキュベーション事業をスタート。

Event Report

2026年1月29日(木)、第15回 KOBE アカデミックトークを開催しました。
今回のテーマは「高専発・未来創造の探究 ― 未来のまちをつくる技術とことば」。
人間とロボットの協働や、詩的言語から読み解くコミュニティについて、教育と研究の両方が求められる高専の立場から議論が行われました。
議論では、ロボットとAIを掛け合わせることでどのように無人化を進めていくのか、またそれを人間の日常へどのように落とし込んでいくのか、さらにコミュニティを形成するうえでどのような「言葉」が求められるのかなど、非常に興味深い知見が共有されました。
当日は、仕事や日常におけるAI利活用、予算を踏まえた現実的な落としどころなどについて、高校生から社会人まで幅広い世代が意見を交わしました。多様なバックグラウンドを持つ方々が集まったことで、異業種に対する課題解決への理解を深める貴重な機会となりました。
少子高齢化が進む日本において、ロボットと人間の協働、そしてそのコミュニティを形成することの重要性を改めて認識する場となったと感じています。
(学生サポーター:濱口)

武久 真士

武久 真士さん

このたびはご参加ありがとうございました。国語の教科書で芥川龍之介や太宰治を読んだ記憶はあっても、詩のことはあまり知らない、覚えがないという方も多いのではないでしょうか。ですが、思いついたときに書店に行けば簡単に作品を入手できるのが文学のいいところです。この機会に、ぜひ詩の世界に触れてみてください。私の研究が、みなさまの詩を読むきっかけになれば幸いです。
田原 熙昻

田原 熙昻さん

神戸アカデミックトークにご参加いただき、誠にありがとうございました。私は、人とロボットが共生する社会を目指し、現場目線での産業課題の自動化や人とロボットの協調作業、会話ロボットシステムの研究に取り組んでいます。今後は産学連携で実社会での検証をさらに進めてまいります。ご参加頂いた皆様からの活発なご質問や、ファシリテーターの先生を通じた登壇者間の交流により、大変実りある議論となりました。心より感謝申し上げます。

参加者の声

最新研究の状況がよく分かり、ロボット開発と詩の世界という異分野間の意外なつながりも発見できました。

登壇者の熱意が伝わり、神戸で進む最先端の研究を知る良い機会になりました。

初参加でも安心できる運営で、市民が参加しやすい雰囲気でした。今後の展開にも期待しています。

日常では得られない視点や地域の取り組みを知る貴重な場でした。今後も参加したいと思います。