2026年2月3日

開催終了

第16回 KOBE アカデミックトーク

テーマ: 多様な時代の子育て支援:いま、社会が育むべき力

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開催概要

日時 2026年2月26日(木曜)
主催 一般社団法人 大学都市神戸産官学プラットフォーム
スケジュール 18時00分:開場・受付
18時30分~19時30分:プレゼンテーション&ディスカッション
19時30分~20時00分:交流会(軽食付)
対象 テーマに関心のある企業・団体関係者、行政担当者、研究者、学生の皆さま
定員 30名程度
参加費 無料
参加申込み 事前申込制(先着順)
申込み方法 2026年2月25日(水曜)までに以下よりお申込みください。
https://forms.gle/TtjCYbm8bYNtMnwn9

QRコード

 

(一社)大学都市神戸産官学プラットフォームでは、大学の最先端研究を市民の皆さまに身近に感じていただくための対話型イベント「KOBEアカデミックトーク」を開催しています。
少子化やライフスタイルの多様化が進む現代では、子育てを家族だけで抱え込まず、地域全体で支え合う仕組みづくりが重要な課題となっており、若者が「親になること」に不安を抱えず、また、どのような困難があっても「働き続けたい」という思いをあきらめなくてよい社会づくりが求められています。今回のアカデミックトークでは、大学生と乳幼児のふれあいを通じて若者の価値観がどのように変化するのかを探る取り組みと、医療的ケア児家庭のキャリア支援に関する実践という、二つの研究を紹介します。これらの研究から浮かび上がるのは、「当事者の選択に周囲がどう寄り添い、支えられるか」という共生社会の根幹となる視点です。行政、企業、市民が大学研究者とともに垣根を越えて未来の暮らしを考える機会として、ぜひご参加ください。

 

若者に対する子育て支援-保育施設での乳幼児ふれあい体験-

プレゼンター:金沢 晃さん(神戸市外国語大学 総合文化コース 准教授)

少子化が進む中、若者が「親になること」を前向きに考えられるよう支援することが重要になっています。私は大学生を対象に、子どもへの関心や育児への積極性を高めることを目的に、神戸市の認定こども園と連携し、乳幼児ふれあい体験を行っています。臨床心理士としての専門性を生かし、子育てに対する期待や不安を共有し、体験を通じて生じた気持ちや考えを言語化する機会を設け、子育て不安を軽減するグループワークも取り入れています。本発表では、これらの取り組みの内容と、乳幼児とのふれあいを通して大学生にどのような心理的変化が生まれるのかについて、具体的な事例を交えながら紹介します。

 

“働きたい”をあきらめない―医療的ケア児を育てる母親のストレングスに寄り添う支援

プレゼンター:春木 裕美さん(関西国際大学 教育学部 教育福祉学科 講師)

医療的ケア児とは、人工呼吸器や経管栄養など、日常的に医療的なサポートを必要とする子どもたちのことです。近年その数は増えており、全国で約2万人が在宅で暮らしているといわれています。こうした子どもを育てる母親たちが「働きたい」と願い、社会とのつながりを取り戻すまでには、日々の生活の中で培われた強さや工夫が必要です。本研究では、特別支援学校に通う子どもをもつ母親へのインタビューを通して、働く意欲がどのように育まれ、どのような条件を整えながら就労の道を探していくのかを明らかにしています。子どもの体調管理や時間の確保といった現実的な課題に向き合いながらも、一歩を踏み出そうとする母親たちの姿は、まさにストレングス(強み)そのものです。本発表では、彼女たちの挑戦を支えるために必要な支援のあり方について、調査から見えてきた示唆を紹介します。

プレゼンターのご紹介

金沢 晃

神戸市外国語大学 神戸市外国語大学 総合文化コース

准教授 金沢 晃 さん Akira Kanazawa

大阪大学大学院人間科学研究科後期博士課程修了。博士(人間科学)、臨床心理士。
臨床実践では、保育園・幼稚園における子どもの観察や相談活動、スクールカウンセリング、医療機関および児童養護施設での精神分析的心理療法、保護者相談などを通じ、主に子どもと保護者への支援に携わってきた。研究面では、子どもをもたない若者への子育て支援の一環として「乳幼児ふれあい体験」に取り組んでいる。本活動は、乳幼児との交流経験を通じて、子どもや子育てへの関心を高めることを目的とするものである。
従来の子育て研究が、不安や苦痛といった否定的側面に焦点を当ててきたのに対し、乳幼児との交流から得られる安心感や元気づけといった肯定的側面に着目して研究を進めている。

春木 裕美

関西国際大学 教育学部 教育福祉学科

講師 春木 裕美 さん Hiromi Haruki

大阪府立大学(現、大阪公立大学)大学院人間社会学研究科社会福祉学博士課程修了。博士(社会福祉学)。障害児保育、障害児者の福祉、家族支援を専門とし、障害児者とその家族が社会のなかで当然の権利を保障され、当たり前に豊かな暮らしができるための研究をしています。特に、医療的ケア児を含む障害児者と暮らす母親の就労継続について焦点を当ててきました。現在は、共同研究にて、保育所等における生活困難家庭への支援についてもテーマとし、障害児者の家庭に限らず、外国籍家庭、経済的困難家庭、不適切な養育が懸念される家庭など、多様な家庭への支援について研究を進めています。

ファシリテーター

宮川 潤

宮川 潤 さん Jun Miyagawa

  • MIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)代表取締役CEO
  • 大阪公立大学 研究推進機構 特任教授
  • (一財)未来医療推進機構 理事長補佐

三井住友銀行にて、20年超電機・通信・メディア・IT業界を担当。国内外の様々な案件を手掛ける。2021年2月より、関西圏のスタートアップエコシステム構築、産官学連携、オープンイノベーションを担当。2023年4より独。2023年11、SUNDRED(株)取締役CFOに就任。新産業共創、地域における産業作りとしてリビングラボに尽。2024年3月、大阪大学名誉教授 澤芳樹氏をエグゼクティブアドバイザーとするMIRACLE SCIENCE INNOVATION(株)を設立し、代表取締役CEOに就任。NakanoshimaQrossを舞台にライフサイエンス・ヘルスケア領域のインキュベーション事業をスタート。

Event Report

参加者の声

お二人のご講演をきっかけに、今回も活発な議論が生まれ、大変有意義な時間となりました。

異なる分野の研究紹介でしたが、共通点も感じられ、さまざまな立場の参加者と意見交換できたことがとても良かったです。

子育てや家族の課題を、自分の経験と重ねながら考える機会になりました。今後の乳幼児ふれあい体験の取り組みに大きく期待しています。

グループ討議では、子育てにまつわる不安や支援のあり方について多くの気づきがあり、世代を超えた交流の大切さを感じました。