2025年10月2日

イベント報告

「産官学連携による神戸の森林資源を中心とする里山価値の創出、向上プロジェクト」丸太製材見学の実施

2025年7月30日(水)、(株)三栄にて丸太の製材見学を実施しました。神戸芸術工科大学および神戸大学の学生、兵庫森林管理署の関係者が参加しました。

 

 

本プロジェクトでは、災害から人々の生命や財産を守るために重要な役割を果たしてきた防災林が、その役目を終えた後に産業廃棄物として処分されるのではなく、新たな価値を持った用材として活用できる可能性を考えていきます。1本の丸太を製材・乾燥し、どのように建築材や家具材として消費者のもとに届けられるのか、その一連の流れを記録し、発信していきます。北野異人館裏手の堂徳山国有林で伐採された防災林(クスノキ)をプロトタイプに捉え、問題点や改善点を検証・評価するためのプログラムの一環として製材見学を行いました。

 

防災林や里山の樹木には獣害対策用の鉄線が入っていることも多く、製材には困難を伴います。また、木の切り出し方によって板目材と柾目材の2種類に分けられ、反りやすさや美しさの違いが出ることを学びました。節があった箇所や枝を落とした箇所は茶色く変色し、模様を生かしたデザインとして使える一方で乾燥や湿度の変化によって割れが生じやすくなることもあります。製材後、自然乾燥は2年、人工乾燥は半年を要し、木材として使用するときには約15%の水分が抜けることなどを伺いました。

 

ナラ枯れしている樹木であっても材木として使用することができ、里山の間伐材、防災林など、様々な木が用材として使用できる可能性を感じました。(株)三栄ではこのような木の価値を多くの人に知ってもらうために、公共施設で使われる椅子や机などの材として製材し、神戸ブランドとして確立していくための活動を12年間続けています。普段は聞くことのできないお話も伺うことができ、学生にとって大変貴重な体験となりました。

 

 

 

 

  • HOME
  • お知らせ
  • 「産官学連携による神戸の森林資源を中心とする里山価値の創出、向上プロジェクト」丸太製材見学の実施