2025年10月2日
イベント報告
2025年8月2日(土)、KOBE Co CREATION CENTERにて森林×デザインをテーマとする次世代のクリエイター育成公開講座「ミライフォレストサークル」が開催されました。本講座は、森林資源学の専門家、建築家、デザイナー、エンジニアなど、幅広い分野から講師を招き、ディスカッションを通して新たな森林活用モデルを探求することを目的としています。第1回目は3名の講師をお迎えし、これまでの活動を軸にしたテーマでお話いただきました。
「木の流通からみる街と森の関係」
「堂徳山の防災林とそこからはじまる物語」
「作り手としての木材への目線」
全国各地の地域材を活用したプロジェクトに携わってきたヤマサキ氏は、環境に興味を持つようになったきっかけや、山の資源の生かし方を考え出した経緯から話し始めました。山と街がつながっていない状況を目の当たりにし、地域にある資源を地域の住民が使えるよう、木こりとデザイナーがつながる取り組みや木の活用方法について考え、活動してきたことの重要性を説きました。表六甲と裏六甲における森林の所有区分の違いや木材流通の循環を変える取り組み事例なども挙げながら、神戸の里山や六甲山のインフラを再構築する活動を幅広く紹介されました。
家具デザイナーの馬場田氏は、地域材を活かした商品開発、オリジナル家具の製作、展示やワークショップに取り組んでいます。現在携わっている「建設現場の木を切り家具を作る」アメリカ デトロイトでのプロジェクトについて、複数枚の写真を見せながら紹介されました。木はまっすぐに育たないため、曲がった木は曲線で合わせて作ることになります。また、実際に木を切ると、割れや腐敗のため約1/3が使えないことが分かり、できること・できないことを瞬時に考え、現場で臨機応変に対応する判断力が求められることをお話されました。
後半には、3名の講師が会場からの質問に答えるクロストークの時間を設け、高校生、大学生・大学院生、樹木医、NPO団体職員から複数の質疑が出ました。公開講座には23名の参加があり、講演終了後も闊達な意見交換が行われました。