主催 | 産官学プラットフォーム |
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昨今のDX時代において、データの本格的な分析・活用が求められる中、数学の基礎知識が不足しているために生成AIや既成プログラムに頼っている方々を対象に、数学の基礎知識を得るきっかけづくりの場として、数学基礎講座を開催
DAY1「平均値・中央値、分散・標準偏差」
平均値と中央値の特徴について、具体的な事例を用いて解説。そして、分散と標準偏差は、平均値を中心とした散らばり具合を示す指標として紹介された。
つづいての統計計算の基礎となるΣ(シグマ)記号の使い方では、実践的な演習を通じて理解を深めた。DAY1のまとめとして、統計・データサイエンス学習における重要なポイントを強調。統計量の特徴を正確に理解すること、統計量とデータ分布を常に関連付けること、そして数式の意味を言葉で説明できるようになることの3点。
DAY2「DAY1の復習 / 頂いた質問より」「相関係数」
DAY1の標準偏差と分散を復習し、受講者からの質問を基に分散を求める際に値を二乗する理由を解説。
相関係数については、その定義、計算方法、性質を詳しく説明。相関係数は-1から1の範囲をとり、絶対値が1に近いほど強い相関を示す。気温とアイスクリームの売上を例に具体的な相関関係を紹介し、計算演習では手計算を通じて理解を深めた。
また、外れ値の影響を受けやすい点や、少数データでは相関の判断が難しい点を指摘。さらに、相関が高くても因果関係があるとは限らないことが強調された。
DAY3「DAY2の復習 / 頂いた質問より」「相関係数を、Excelを用いて求めてみる」
Excelを用いて相関係数の計算方法を解説して、データ分析ツールの使用法を習得。相関係数の算出だけでなく、散布図の重要性を強調、データ全体を俯瞰することの重要性を説明。
外れ値が相関係数に与える影響を具体例で示したうえで、データ分析における注意点を解説。
相関関係と因果関係の違いを改めて説明し、多角的な視点を持つことの重要性を強調。データ分析においては、統計量の知識だけでなく、データの背景や文脈を理解することが不可欠であると結論づけた。
DAY4「DAY3の復習 / 頂いた質問より」「相関係数をExcelを用いて求めてみる」「散布図の必要性」
具体例を挙げて、Excelで単回帰分析を実践。気温から売上を予測する方法を解説し、散布図での傾向確認後、近似曲線を追加して売上予測式を算出。
単回帰分析の結果から、気温と売上には負の相関があることを確認。
4回にわたる講座全体の振り返りとして、データ収集前の仮説立てや、身近なデータに触れることの重要性を強調。
データ分析スキル向上のためには、失敗を恐れずに実践し、経験を積むことが大切であるとまとめた。
林兵馬先生 : 神戸大学附属中等教育学校数学科
: 神戸大学数理・データサイエンスセンター 客員研究員
: 産総研人工知能技術コンソーシアム教育WGリーダー
「今回のプログラムでは、データサイエンスの基礎となる数学・統計学の知識を提供し、参加者の皆さんに数学を活用するイメージを掴んでいただくことを目指しました。4回の講座を通じて、相関係数の計算と散布図の作成ができるようになることをゴールとして設定し、段階的に理解を深められるよう工夫しました。
実践的なアプローチを重視し、Excelを用いたデータ分析の演習を取り入れたことで、参加者の皆さんに手を動かしながら学んでいただけたと思います。また、数式の意味を深く理解していただくため、手計算による演習も含めました。
プログラムを終えての感想ですが、参加者の皆さんの反応が概ね好評だったことをうれしく思います。特に、Excelを使った実践的な内容が高く評価されました。一方で、数学の部分に難しさを感じる方もいらっしゃったので、これは今後の課題だと認識しています。
今回の講座を終えて、さまざまな統計手法や数学的トピックスを扱うこと、参加者のレベルに応じた内容の提供、そしてリカレント教育としての位置づけをさらに強化することを考えています。
最後に、参加者の皆さんには、学んだことを実際のデータで試してみることをお勧めします。継続的な学習が非常に重要です。データサイエンスを共通言語として普及させることが、今後の社会にとって重要だと考えています。」
2025年1月27日〜2025年2月14日(全4回)
KOBE Co CREATION CENTER
神戸市内の経営者、企業職員、神戸市役所職員等
無料